
岡山のハレノワ劇場でクワイエットルームにようこそを観てきたので、感想をつらつら書いていきます。ネタバレ注意です!!
- 先日観劇した『クワイエットルール』
- 重いテーマなのに、なぜこんなに笑ってしまうのか
- 様々な病気を抱えた登場人物
- ずっとクライマックスのような音楽
- 他作品オマージュ?の遊び心
- 精神疾患は繰り返す —— 一番怖かったシーン
- 現実の精神病棟
- あすかは自分の足で歩き始めたのか
- 手帳にコラージュして観劇記録を残してみた
- まとめ
先日観劇した『クワイエットルール』

まず何よりも最高だったのは、ミュージシャンによる生演奏。
演者の生の演技に、生演奏が重なるなんて贅沢すぎる空間でした。
精神病棟という、私自身はまだ直接関わったことのない世界が舞台。
拒食症、過食症、強迫性障害、境界性パーソナリティ障害など、さまざまな精神疾患を抱えた人たちが登場します。
「万引きがやめられない」
「ガスの元栓を何度も確認してしまう」
聞いたことはあっても、深くは知らなかった症状が“病気”として描かれていて驚きました。
重いテーマなのに、なぜこんなに笑ってしまうのか
全体的にはかなりコメディ寄り。
暗くて重いテーマのはずなのに、終始客席から笑いが起こる不思議な空間でした。
「笑っていいのかな?」と思いながらも、つい“ふっ”と笑ってしまう。
これまで私は劇団四季の作品を観ることが多く、
観客は目の前の世界に没入するタイプの舞台に慣れていました。
でも今回は違いました。
「それは休憩後にやって!」
休憩明けに歌われる
「休憩20分は男にとっては短く女にとってはギリギリ」
客席を明確に笑わせにくる演出。
舞台世界にどっぷり没入するというより、
“現実世界と地続きの舞台”という感覚があり、よりリアルに感じました。
ナース江口の
「エンディングのような歌を歌わないでください」
というツッコミも最高でした。
様々な病気を抱えた登場人物
物語は主人公・あすかがなぜここへ来たのか、
そして退院するまでを軸に進みます。
閉鎖病棟には個性豊かな患者たちがたくさん登場します。
ただ、ミュージカルナンバーの中で説明される程度で、
一人ひとりが深く掘り下げられるわけではなかったのが少し残念でした。
最後まで名前が覚えられなかった役も…。
映画版を観ていないことも影響しているかもしれません。
ずっとクライマックスのような音楽
最初からまるでエンディングのような盛り上がる曲調。
楽しいけれど、ずっと最高潮なので
「いつ休憩入るんだろう…?」
と少し思ってしまいました。
全体的に一曲が長めな印象も。
過去の芸能人のやらかしを並べる歌では、
「あ、それ知ってる」とニヤニヤ。
彼らは主人公。
私たちはただのモブ。
「よかった、主人公じゃなくて」
そう思いながらも、
いつトラップを踏むかわからない。
踏んだらスリップしてドロップする。
遠くで安全に笑っているつもりでも、
決して他人事ではないと感じました。
他作品オマージュ?の遊び心
「詰んだーーーいやーー!」
「吐くな、まだだ」
「鎮まれ、鎮まりたまえ!!」
これ大丈夫!?と思うような音楽やセリフが流れてきて思わず笑ってしまう。
アシタカの名前と、どこかで聴いたことのある旋律。
それをナース江口がやるから余計に面白い。
重さの中に差し込まれる遊び心が、この作品らしさなのかもしれません。
精神疾患は繰り返す —— 一番怖かったシーン
今回いちばん怖いと感じたのはここ。
あすかと同じようにODで運ばれてきた栗田さん。
無事退院が決まり、前向きに社会へ戻っていくように見えたのに…
あすかが退院するクライマックスで、
再び救急車で運び込まれる。
あんなに笑っていたのに。
あんなに楽しい世界を見せてくれていたのに。
突然、現実の重さを突きつけられる。
拒食症のミキが歌う「無限回廊」の歌。
登り切ったらまた転げ落ちる。
あれこそがこの精神病棟の象徴なのかもしれません。
精神の病は、繰り返す。
そう思うと、あすかの退院も本当に大丈夫なのかと不安になります。
現実の精神病棟
購入したプログラムには精神科医の特別寄稿がありました。
舞台はショーとして描かれているけれど、
実際の保護室はもっと殺伐としている。
しかも人手不足は深刻で、WHOから勧告を受けるほどだとか。
医療現場の厳しさを思い知らされました。
さらに若者の間で増えているオーバードーズ。
それは「自分では手に負えない激しい感情を、誰の手も借りずに和らげるための対処」だそうです。
10代の頃の自分を思い出しました。
もし当時、今のようにスマホで簡単に情報が手に入っていたら。
現代を生きる子どもたちの大変さ、
そしてその親の苦悩も想像してしまいます。
あすかは自分の足で歩き始めたのか
退院シーン。
栗田さんが再入院し、
ミキが連絡先の紙を食べる。
また戻ってしまうのではないかという不安。
けれど、あすかが“銀の靴”を取り戻したことが
「自分の足で人生を歩く」象徴だと知って、
運び込まれたときとは違うのかもしれないと思いました。
居場所は与えられるものではなく、
自分で選ぶもの。
最後に鉄雄に「鬱陶しい」と言わせたのも、
依存との決別なのかもしれません。
綺麗な別れだったのか。
それとも未完成な旅立ちなのか。
でも願うなら、
自立した状態で二人が歩いていってほしい。
手帳にコラージュして観劇記録を残してみた
以前作ったノートにコラージュしてみました!

役者さんたちのことも購入した万年筆で書いてみました!
以前作ったノートの記事はこちらです。
まとめ
『クワイエットルール』は、
・笑っていいのか戸惑うコメディ
・精神疾患のリアル
・繰り返す怖さ
・それでも歩こうとする希望
が混ざり合った、不思議で贅沢な舞台でした。
楽しいだけでは終わらない。
でも重いだけでもない。
笑いながら、少しだけ自分の足元を見る。
そんな時間でした。
映画もU-NEXT
で観れるようなので、観てみたいと思いました!
調べてみると役者が豪華!


